HE11エラーとは
日立エコキュートのHE11エラーは、ヒートポンプユニット側の圧縮機出口温度サーミスタ異常を示すエラーです。
圧縮機(コンプレッサー)とは、ヒートポンプユニットの中核となる部品で、冷媒を圧縮して高温・高圧の状態にし、その熱を使ってお湯を沸かす役割を担っています。圧縮機出口温度サーミスタは、この圧縮機から出た直後の冷媒温度を検知するための部品です。
この温度を正しく検知できなくなると、ヒートポンプユニットが安全に沸き上げ運転を続けられなくなり、HE11エラーが表示されます。
HE11が表示された場合、タンク内に残っているお湯は使用できますが、沸き上げ運転はできない状態になります。
HE11エラーが出たときに使える機能
| 機能 | 使用可否 | 補足 |
|---|---|---|
| 給湯 | 〇 | タンク内にお湯が残っていれば使用できます |
| 湯はり | 〇 | タンク内のお湯を使って湯はりできます |
| 沸き上げ | × | 圧縮機出口温度を正しく検知できず、沸き上げできません |
給湯や湯はりができていても、沸き上げができないためタンクのお湯は減る一方です。気づいたときにはお湯切れになっていたというケースも多いため、早めの対処をおすすめします。
HE11エラーの主な原因
HE11の原因は他のサーミスタ系エラーと同様の傾向があります。
圧縮機出口温度サーミスタの断線・故障
サーミスタの断線による故障が原因になるケースがあります。使用年数の経過や部品劣化によって断線し、正しい温度を検知できなくなることがあります。
基板の水濡れによる不具合
ヒートポンプユニット内部で水漏れが起きると、湿気や水分が基板にかかり、基板が正常に機能しなくなります。水熱交換器からの水漏れが原因になることが多く、この場合は基板交換と水漏れ箇所の修理が同時に必要になります。水漏れを放置したまま基板だけ交換しても再発する可能性があるため、根本原因の修理が必要です。
水漏れによる圧縮機の錆び
水漏れが長期間放置されると、基板だけでなく圧縮機(コンプレッサー)自体が錆びてしまうケースがあります。この場合、サーミスタや基板の修理だけでは対応できず、修理内容が大きくなります。
水漏れがある状態を長く放置するほどリスクが高まるため、水漏れの兆候がある場合は早めに点検を依頼することが重要です。
配線・コネクタの接触不良
サーミスタにつながる配線やコネクタの接触不良が原因になることもあります。屋外設置のヒートポンプユニットは雨・湿気・温度変化の影響を受けやすく、経年劣化によって接続部に不具合が出ることがあります。
圧縮機が故障しているときはどうなる?
圧縮機自体が故障している場合、HE11のようなサーミスタ系エラーではなく、別の形で症状が出ることがあります。
圧縮機の絶縁不良などが起きた場合、エラー表示が出ずに漏電ブレーカーが作動するというパターンがあります。そのため、ブレーカーが繰り返し落ちる場合は、圧縮機まわりの異常も疑われます。
HE11が出ている場合はまずサーミスタや基板の異常として対応しますが、水漏れが長期間続いていた場合は圧縮機への影響も確認が必要です。
自分でできる確認ポイント
リモコンのエラー番号を確認する
リモコンに表示されているエラーがHE11かどうかを確認してください。表示内容をメモしておくと業者への相談がスムーズになります。
残湯量と沸き上げ状況を確認する
以下の点を確認しておくと、状況を伝えやすくなります。
- リモコンの残湯表示が減っていないか
- 夜間に沸き上げされているか
- 沸き増し操作をしても動かないか
- ヒートポンプユニットが運転しているか
ヒートポンプユニットまわりを確認する
屋外のヒートポンプユニットまわりに、異音・異臭・水漏れなどがないか確認してください。特に水漏れがある場合は、基板や圧縮機への影響が出ている可能性があるため、業者へ必ず伝えてください。
また、普段と違う運転音がする場合も、点検時の重要な情報になります。カバーを開けたり配線や配管を触ったりするのは避けてください。
電源リセットで直る?
一時的な誤検知であれば、電源リセット後にエラーが消える場合もあります。ただしサーミスタの断線や基板の水濡れが原因の場合はリセットしても再発します。
エラー表示が消えても沸き上げが正常にできていなければ根本的な解決にはなりません。リセット後に再びHE11が表示される場合や、残湯量が増えない場合は、専門業者へ点検を依頼してください。
修理になる場合の内容
圧縮機出口温度サーミスタの交換
サーミスタの断線が原因であれば、サーミスタ交換が必要です。ヒートポンプユニット内部の部品のため、専門業者が作業を行います。使用者自身での交換はできません。
水漏れ修理+基板交換
基板の水濡れが原因の場合は、基板交換と同時に水漏れ箇所の修理が必要です。水熱交換器や配管接続部など、湯漏れが起きている箇所を特定して修理します。水漏れを放置したまま基板だけ交換しても再発する可能性があります。
圧縮機の修理・交換
水漏れが長期間続いていた場合、圧縮機が錆びてしまっているケースがあります。この場合は圧縮機の修理や交換が必要になり、修理費用が高額になります。使用年数が長い機器では、修理か買い替えかの判断が重要になってきます。
配線・コネクタの修正
配線やコネクタの接触不良が原因の場合は、接続部の確認や修正が必要です。配線が傷んでいる場合は部品交換や補修が必要になることもあります。
年数が経っている場合は買い替えも検討
HE11エラーはサーミスタ単体の交換で改善する場合もありますが、水漏れが原因で基板や圧縮機まで影響が及んでいる場合は修理費用が大きくなります。
特に圧縮機はヒートポンプユニットの中核部品のため、交換となると高額修理になりやすいです。使用年数が長い機器でこうした修理が発生した場合は、修理か買い替えかを慎重に判断することが大切です。
また今回がヒートポンプユニット側の修理であれば、同じ年数使っている貯湯タンク側でも今後不具合が出る可能性があります。反対に、タンク側を先に修理していた場合でも、今度はヒートポンプユニット側で高額修理が発生するケースもあります。
設置から年数が経っている場合は、今回の修理だけでなく今後の故障リスクも含めて、修理か買い替えかを判断することが大切です。
HE11エラーが出たときの対処の流れ
- リモコンのエラー番号がHE11か確認する
- 残湯量を確認し、お湯の減り具合を把握する
- 沸き上げ運転や沸き増しができるか確認する
- ヒートポンプユニットまわりに水漏れや異常がないか確認する
- 電源リセット後に再発するか確認する
- エラーが消えない・沸き上げできない場合は専門業者へ相談する
HE11は沸き上げができないエラーです。特に水漏れがある場合は圧縮機への影響が出る前に、早めに点検を依頼することをおすすめします。
まとめ
日立エコキュートのHE11エラーは、ヒートポンプユニット側の圧縮機出口温度サーミスタ異常を示すエラーです。
圧縮機(コンプレッサー)はヒートポンプユニットの中核部品で、圧縮機出口温度サーミスタはその出口の冷媒温度を検知する部品です。原因は他のサーミスタ系エラーと同様で、サーミスタの断線、基板の水濡れによる不具合、配線・コネクタの接触不良が主な傾向です。
注意が必要なのは、水漏れが長期間放置されると基板だけでなく圧縮機自体が錆びてしまうケースがある点です。この場合は修理費用が大きくなります。また圧縮機が単独で故障した場合は、HE11のようなエラーではなく漏電ブレーカーの作動という形で症状が出ることがあります。
HE11はタンクにお湯が残っていれば給湯や湯はりができますが、沸き上げはできません。水漏れがある場合は特に早めに専門業者へ相談することをおすすめします。
使用年数が長い場合は、今回の修理だけでなく機器全体の状態を考慮したうえで、修理か買い替えかを慎重に判断しましょう。


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